結論:そろえるのは5つ。清書は要りません
ホームページを頼む前に、自分の側でそろえておくと話が早いものは5つです。
- 現場の写真
- 対応エリア
- 工事の種類
- 断りたい仕事
- 書類と、今の契約まわり
どれも清書は要りません。メモ帳の走り書きと、スマホの中の写真で足ります。
なぜ先にそろえるのか。理由は一つです。ホームページを作る側は、渡された材料からしか書けません。材料が無いところは、どこの会社にも当てはまる文章で埋めることになります。そうしてできたページは、御社のページではなく「工事会社一般」のページになります。
全部そろえてからでないと頼めない、という話でもありません。「写真は無い」「エリアはまだ決めていない」。それも情報です。空欄がどこにあるかが分かれば、作る側は何から聞けばよいかが分かります。
私は屋根職人です。屋根工事歴は20年以上です。自社の瀧澤屋根工業では、LP、ブログ50本、動画、SEOを回して集客してきました。作る側でありながら、頼む側の目線で、5つを順に書きます。どの制作会社に頼む場合でも使える内容にしました。
写真は「きれいさ」より「前と後がそろっているか」
最初に確かめるのは写真です。見るのは画質ではありません。次の3点です。
- 施工前と施工後が、同じ現場でそろっているか
- それが何件分あるか
- お施主さんに「載せていいですか」と聞けているか
施工後の写真だけだと、見る人には「きれいな屋根」としか伝わりません。施工前が並んではじめて、何を直したのかが伝わります。途中の写真(下地や、古い屋根材をめくった後の状態)があれば、それも材料になります。完成後には見えなくなる部分だからです。
準備としてやることは単純です。スマホの写真を、現場ごとにアルバムへ分けます。そのうえで、載せてよい現場に印を付けます。表札、車のナンバー、人の顔が写っている写真には、別の印を付けておきます。
写真が1件分も無い場合は、それをそのまま伝えてください。「無い」と分かっていれば、撮影を入れるか、次の現場から撮りためるかを最初に相談できます。撮影は制作費とは別の費用になることがあります。見積もりの前に写真の状況を伝えておくと、あとから金額の話が動きにくくなります。
対応エリアと工事の種類は、紙に書き出す
次の2つは、紙に書き出してから渡します。
対応エリア
「県内全域」とは書かず、市町村の名前で書き出します。基準は、実際に車で行ける範囲です。私なら3つに分けます。
- すぐ行ける市町村
- 工事の規模によっては行く市町村
- 行かない市町村
地名を分けて渡すのには理由があります。ページに書かれていない地名は、その地名で調べた人とページを結ぶ手がかりになりません。逆に、行かない町の名前まで載せると、断ることになる問い合わせを自分で呼んでしまいます。
工事の種類
こちらも3つに分けます。
- 自社の職人で施工する工事
- 協力会社に頼んで受ける工事
- 受けていない工事
あわせて、呼び名を2通り書いておきます。業界の言葉と、お客さんが口にする言葉です。屋根の例でいえば「カバー工法」と「重ね葺き」。「棟板金の交換」と「屋根のてっぺんの鉄板が浮いた」。調べる人が打ち込むのは、後者の言い方のことがあります。現場で実際に言われた言葉を、思い出せるだけ書き出してください。それが見出しの材料になります。
断りたい仕事を先に決めておく
5つの中で、私がいちばん大事だと考えているのがこれです。
ホームページは、来てほしい人に向けて書きます。裏を返すと、来てほしくない仕事が決まっていないと、誰に向けて書くかが定まりません。
たとえば次のようなものです。
- 片道1時間を超える場所の、小さな補修
- 材料をお客さんが持ち込む工事
- 自社で保証を出せない工法の指定
これは例です。御社の線は、御社にしか引けません。
私ならこう見ます。断るのは気が重いものです。ただ、受けてから手に負えなくなるほうが、お施主さんにも自分にも負担が大きい。私はそう考えています。ホームページも同じ考え方で作れます。受ける範囲が最初から読み取れるページにしておけば、合わない問い合わせを入口の段階で減らす設計にできます。
断りたい仕事を、ページにそのまま書くかどうかは別の話です。書かずに、来てほしい仕事のほうを厚く書く方法もあります。どちらを選ぶにしても、線が決まっていないと選べません。
あわせて「載せたくないもの」も書き出します。出せない金額や、取引先の名前。載せたくない写真や人物。使ってほしくない言い回し。原稿ができてから伝えると、書き直しになります。
書類と、今の契約まわりを手元に出しておく
最後は、引き出しやメールの中から探し出すものです。
書類
- 建設業許可の番号
- 保有資格の名称と、その証書
- 会社概要(所在地、設立年、従業員数)
- ロゴのデータ(無ければ、無いと伝える)
許可番号と資格は、記憶で伝えず、書面を見て写してください。番号や資格名が1文字違うだけで、事実と異なる表示になります。私たちが作るときも、裏付けが取れないものは載せない方針です。
今の契約まわり(すでにサイトがある場合)
- 今のサイトのURL
- ドメイン(◯◯.com のような、サイトの住所)を誰の名義で、どこで管理しているか
- 管理画面のIDとパスワードが手元にあるか
- 今の制作会社との契約内容と、月々の支払い額
ここが分からないまま進めると、新しいサイトができたのに住所を移せない、という止まり方をすることがあります。分からなければ、今の契約先に問い合わせるところからで構いません。解約の条件も、このとき一緒に確かめておきます。
一行ずつ書いておくこと
もう2つ、一行ずつ書いておきます。「このホームページで何が起きたら、作ってよかったと言えるか」。そして「最後に決めるのは誰か」。
仕事を増やしたいのか、名刺代わりでよいのか、人を採りたいのか。目的によって、作るページの中身が変わります。決める人が打ち合わせに出ない場合は、その人にも同じ資料が渡るようにしておきます。
ここまでの5つは、どこに頼む場合でも聞かれる材料です。打ち合わせの途中で、作る側が空欄を想像で埋めはじめたら、止めてください。御社のことを書けるのは、御社から出た材料だけです。

