結論:その場で決めない。6つ聞いて、答えを書き留める
SEOの業者から、営業の電話やメールが来ることがあります。SEOは、Googleなどの検索で、自分のページを見つけてもらいやすくする工夫のことです。
電話の向こうでは、こんな言葉が出てきます。「1か月で1位にします」「被リンクを大量に張ります」「ドメインパワーを上げます」。
この記事の結論は3つです。
- その場では決めません。資料をメールで送ってもらい、1日置きます
- 6つの質問をして、答えを書き留めます
- 答えを、Googleが公開している案内と並べて読みます
先に断っておきます。この6つで、良い業者と悪い業者をきれいに分けられるわけではありません。分かるのは、「この答えなら話を続けてよさそうか」「一度止まって確かめたほうがいいか」までです。決めるのは、あなたです。
私は屋根職人です。屋根工事歴は20年以上です。自社の瀧澤屋根工業では、LP、ブログ50本、動画、SEOを回して集客してきました。その立場から、頼む側の目線で書きます。
営業の電話で、よく出てくる言葉
Googleは「SEO業者の利用を検討する」という案内を公開しています。SEOの業者を選ぶときの注意を、Google自身がまとめたページです。この記事の質問は、このページと、Googleの「スパムに関するポリシー」に沿って組みました。スパムは、検索をごまかす迷惑なやり方のことです。
まず、電話で出てきやすい言葉と、それに対応する質問を並べます。
- 「1か月で1位にします」→ 質問1
- 「地域名で上位表示します」→ 質問2
- 「被リンクを〇本張ります」→ 質問3
- 「ドメインパワーを上げます」→ 質問4
- 「全部お任せください」→ 質問5
- 「契約は〇年です。今日決めれば安くなります」→ 質問6
この6つとは別に、Google自身が名指しで注意している言い方が2つあります。
1つは、「Googleと特別な関係がある」「Googleに優先して登録できる」という言い方です。Googleの案内は、こう言う業者には注意が必要だ、と書いています。
もう1つは、「広告も出せば、検索の順位も上がります」という言い方です。Googleの案内には、Googleの広告を出しても、広告ではないふつうの検索結果での表示には影響しない、と書かれています。
Googleの案内には、事前に了承していないメールには疑いの目を向けてください、という一文もあります。これはメールの話として書かれています。私は、突然かかってくる電話にも、同じ目を向けてよいと考えています。
聞く質問(前半):順位・言葉・リンク
質問1 「順位は約束できますか」
「1か月で1位」と言われたら、まずこれを聞きます。
Googleの案内には、Googleで一番上に載ることは誰にも保証できない、と書かれています。順位を保証する業者には注意が必要だ、とも書かれています。順位を決めるのはGoogleです。業者ではありません。
期間の話もあります。Googleの「SEOスターターガイド」には、ページを直してから検索結果に反映されるまで、数時間のものもあれば、数か月かかるものもある、と書かれています。数週間待ってから確かめるのがよい、という内容です。
こう答えたら安心:
- 「順位は約束できません。決めるのはGoogleです」と言う
- その代わりに、何をやるか、どう確かめるかを話す
こう答えたら一度止まる:
- 「〇か月で〇位」と、期限と順位を言い切る
- 「上がらなければ返金します」と、順位の保証を売り物にする
- 「Googleと特別な関係があります」と言う
質問2 「どの言葉で、上に出すのですか」
「上位表示」は、どの言葉で検索したときの話かが決まらないと、中身がありません。
たとえば盛岡の屋根の会社なら、「盛岡 屋根修理」「盛岡 雨漏り」のように、地域名と工事名を組み合わせた言葉が候補になります。どの言葉を選ぶかは、あなたの仕事しだいです。
Googleの案内は、業者に確かめる点として、業者があなたの会社や仕事に関心を持って質問してくるかを挙げています。言葉を決めるには、あなたの仕事を知る必要があるからです。
こう答えたら安心:
- 地域名と工事名を組み合わせた言葉を、具体的に挙げる
- その前に、あなたの仕事を聞いてくる。どの工事を増やしたいか。どこまで行けるか。断りたい仕事は何か
こう答えたら一度止まる:
- 言葉を言わずに、「上位表示」とだけ言う
- 会社名での1位を、成果として出してくる。会社名で検索すれば、もともと自分のページが出ることがあります。会社名を知らない人には、届きません
- 屋根の会社にも、飲食店にも、同じ話をしていそうに聞こえる
質問3 「リンクは、どこから、どうやって付けるのですか」
「被リンクを張ります」と言われたら、これを聞きます。被リンクは、ほかのサイトから自分のホームページへ張られるリンクです。人の世界でいう、紹介です。
Googleは、順位を上げるためのリンクの売り買いを、「リンクスパム」として禁じています。決まりに反したサイトは、検索結果での順位が下がったり、表示されなくなったりすることがある、とも書いています。困るのは、業者ではなくホームページの持ち主です。
こう答えたら安心:
- 「リンクを買って付けることはしません」と言う
- 取引先や所属団体など、実在の関係から付く紹介の話をする
こう答えたら一度止まる:
- 「〇本」と、本数で売る
- リンクがどこから付くのかを見せない。「提携サイト」「独自のネットワーク」とだけ言う
- 業者のサイトへのリンクを、あなたのホームページに入れることを条件にする。Googleの案内には、SEO業者にリンクする必要は一切ない、と書かれています
紹介がどこから付くのか、買わずにどう増やすのかは、被リンクのコラムに書きました。最後の段の「被リンクを売ります」と言われたら、が、この質問の続きです。
聞く質問(後半):ドメイン・変えた中身・やめるとき
質問4 「ドメインパワーとは何で、何をして上げるのですか」
ドメインは、ホームページのアドレスの中心になる部分です。インターネット上の住所だと考えてください。
「ドメインパワー」は、世間でそう呼ばれている目安です。SEOの道具を作る会社などが、独自に出している数字です。SEO対策のページにも書きましたが、私が確認したGoogleの公式ページには、この名前の評価の数字は出てきません。
数字そのものが悪いわけではありません。気をつけたいのは、その数字を上げることが目的になる話です。
こう答えたら安心:
- 「道具を作る会社の目安で、Googleの数字ではありません」と説明する
- 上げ方として、中身のあるページを足すこと、ページを整えることを挙げる
こう答えたら一度止まる:
- Googleの公式の評価のように話す
- 数字を上げるために、リンクを足すと言う
- 期限の切れた古いドメインを買って使おう、と勧める。Googleは「期限切れのドメインの不正使用」として、順位を操作する目的で買って使い回すことを禁じています
質問5 「何を変えたか、毎回教えてもらえますか」
「全部お任せください」と言われたら、これを聞きます。
Googleの案内は、サイトに加えた変更をすべて伝えてくれるかを、業者に確かめるように勧めています。変更の目的をはっきり説明しない業者には用心して、説明を求めるように、とも書いています。
権限の話もあります。Googleが出している「サーチコンソール」という道具があります。自分のサイトが検索でどう出ているかを確かめる道具です。Googleの案内は、業者に最初に見てもらう段階では、見るだけの権限を渡し、書き換えの権限は渡さないように、と書いています。
こう答えたら安心:
- 変えた場所と理由を、メールや書面で残すと言う
- 最初の見立ての段階では、見るだけの権限で足りると言う
こう答えたら一度止まる:
- 「やり方は企業秘密なので言えません」と言う
- 話の最初から、ホームページの管理画面のパスワードや、すべての権限を求める
質問6 「やめたら、何が残りますか」
契約の話です。ここはGoogleの決まりではなく、頼む側の段取りとして私が聞く質問です。
SEOは、すぐに結果が見えにくい仕事です。だからこそ、やめるときの形を先に知っておきます。
こう答えたら安心:
- 契約の期間と解約の条件を、契約の前に書面で出す
- やめたあと、書いた記事や直したページが手元に残るかどうかを、はっきり言う
こう答えたら一度止まる:
- 期間や解約の条件を、口でしか言わない
- やめたあと、記事やページがどうなるのか、答えがはっきりしない
- 「今日決めれば安くなります」と、その場の返事を求める
ホームページのアドレスやサーバーが誰の名義になっているかも、やめるときに効いてきます。確かめ方は、名義の確かめ方のコラムに書きました。
電話を受けたら、私ならこうする
ここまでの6つを、電話口で全部聞く必要はありません。私なら、次の順でやります。
- その場では決めない。 「今は現場なので、資料をメールでください」と言って、電話を終えます
- 6つの質問を、メールで送る。 文字で返ってきた答えは、あとで読み返せます。ほかの業者とも並べられます
- 答えを、Googleの決まりと並べて読む。 Googleが禁じているやり方は、SEO対策のページの第5章に一覧にしてあります
- 1日置く。 急ぐ理由が相手の側にしか無いなら、1日待っても困ることはありません
- 迷ったら、ほかにも聞く。 別の業者や、ホームページを持っている知り合いに、同じ6つを聞いてみます
私ならこう見ます。屋根の業界にも、突然訪ねてきて「屋根が浮いていますよ」と言う営業があります。施主さんからそう相談されたら、私はこう伝えます。その場で契約しないでください。ほかの業者にも見てもらってください。
SEOの電話も、同じだと考えています。本当に直す所があるなら、1日待っても、別の人に見てもらっても、直す所は変わりません。変わるのは、急がせる側の都合だけです。
答えの中に、一度止まる答えが1つあったから、すぐに断れ、という話でもありません。止まって、聞き直せばいい。聞き直したときに、言葉を変えずに説明してくれるかどうか。私はそこを見ます。
最後に、私たちのことも書いておきます。この6つの質問は、職人WEBタキサワにも、そのまま向けてください。私たちも順位は約束しません。答えに納得できなければ、断ってください。

