結論:入口は、お客さんの困りごとの数だけ作ります
ホームページを、工事ごとにページを分けて作る。この記事の話は、それだけです。
雨漏り修理のページ。屋根の葺き替えのページ。板金のページ。1枚にまとめず、工事の数だけ入口を作ります。入口とは、検索から来た人が最初に開くページのことです。
この記事の結論は3つです。
- 探す人は、困りごとと地域を組み合わせて調べます。「盛岡 雨漏り 修理」のような言葉です。その言葉にまっすぐ答えるページが要ります
- 分けると、検索の言葉と中身が合います。読む人は自分の件だけを読めます。問い合わせまでの迷いも減ります
- ただし、分けすぎは逆効果です。地名だけ入れ替えたページや、中身のないページは作りません
先に断っておきます。ページを分けても、検索で上に出るとは限りません。順位を決めるのはGoogleです。Googleも公式の手引きに、ランキングがトップになるような秘訣はない、と書いています。この記事に書くのは、ページの組み方の考え方と、手順までです。
私は屋根職人です。屋根工事歴は20年以上で、2,000棟以上の屋根を手がけてきました。自社の瀧澤屋根工業では、LP、ブログ50本、動画、SEOを回して集客してきました。自社のホームページも、工事ごとにページを分けています。その立場から書きます。
探す人は「困りごと+地域」で打ち込みます
検索窓に打ち込まれる言葉を、思い浮かべてみてください。たとえば、次のような言葉です。
- 盛岡 雨漏り 修理
- 盛岡 屋根 葺き替え 費用
- 滝沢 カーポート 工事
- 花巻 外壁塗装 見積もり
どれも「何に困っているか」と「どこで頼みたいか」の組み合わせです。会社名で調べる人は、もうその会社を知っている人です。まだ知らない人は、困りごとで探します。
Googleも公式の手引きで、検索する人が使いそうな言葉を考えるよう勧めています。
ここで、1枚にまとめたページを考えます。題名は「屋根工事全般」。本文には、葺き替え、カバー工法、雨漏り修理、板金、雪止め、雨どいが一列に並んでいる。こういう作りを見かけます。
このページは、「盛岡 雨漏り 修理」と打った人に、まっすぐ答えていません。雨漏りの話は、6つのうちの1行です。題名にも見出しにも、雨漏りの文字がありません。何のページなのかが、読む人にもGoogleにも伝わりにくくなります。
私ならこう見ます:雨漏りの人と、葺き替えの人は、別のお客さんです
現場にいると、分かることがあります。同じ屋根のお客さんでも、雨漏りの人と葺き替えの人では、頭の中がまるで違います。
雨漏りの人は、困っています。天井にシミが出た。雨の日はバケツを置いている。知りたいのは「すぐ見に来てくれるか」「応急の処置はできるか」「おおよそ、いくらかかるか」です。長い説明を読む余裕はありません。
葺き替えの人は、考えています。家が建ってから年数がたった。そろそろ屋根をやり直したい。知りたいのは「材料は何を選べるか」「工期は何日か」「足場は要るか」「費用の幅はどれくらいか」です。何社か比べてから決める人もいます。
急ぐ人と、比べる人です。同じ1枚で両方に答えようとすると、どちらにも半端になります。急ぐ人は、材料の話を読まされて離れます。比べる人は、応急処置の話では判断できません。だから私は、入口を分けます。
分けると、何が良くなるのか
良くなることは3つあります。
1. 検索の言葉と、ページの中身が合います
雨漏り修理のページなら、題名にも見出しにも「雨漏り」が入ります。本文も、雨漏りのことだけです。
題名は、検索結果に並ぶ1行にもなります。Googleは、良い題名を「そのページに固有で、内容を正確に説明しているもの」と説明しています。工事ごとに分ければ、題名を工事ごとに書けます。
1枚にまとめたページでは、そうはいきません。中身を正確に言おうとすると、題名に工事名を全部並べることになります。それでは読みにくくなります。地域名や工事名を不自然に並べるやり方は、Googleの決まりで「キーワードの乱用」として禁じられています。
2. 読む人が、自分の件だけを読めます
雨漏りで来た人は、葺き替えの材料の話を読まずに済みます。スマホの画面は小さいです。指で送る量が少ないほど、自分に関係ある話に早く着きます。
外構でも同じです。カーポートを付けたい人と、ブロック塀の傾きが心配な人では、知りたいことが違います。前の人が知りたいのは、大きさと、雪の重さに耐えられるか。後の人が知りたいのは、倒れないか、直すか作り直すかです。1枚に並べると、どちらの人も自分の話を探すことになります。
3. 問い合わせまでの迷いが減ります
ページの最後に置く案内も、工事ごとに変えられます。
雨漏りのページなら、まず写真を送ってもらう案内。シミの場所と、外から見た屋根の写真です。葺き替えのページなら、現地を見てから見積もる流れの案内。何日くらいで見積書が届くかも書きます。
読む人は、自分が次に何をすればいいかが分かります。1枚のページの最後に「お気軽にお問い合わせください」とだけあるより、迷いが少なくなります。電話、LINE、フォームの並べ方は、問い合わせ口の並べ方のコラムに書きました。
分けすぎの落とし穴:似たページと、中身のないページ
分けるほど良い、という話ではありません。落とし穴が2つあります。
落とし穴1:地名だけ入れ替えたページ
「盛岡市の屋根修理」「滝沢市の屋根修理」「矢巾町の屋根修理」。本文は同じで、地名だけが違う。こういうページを並べる作りを見かけることがあります。
Googleは「スパムに関するポリシー」という決まりを公開しています。その中に「誘導ページの不正使用」という項目があります。似た検索の言葉で上に出ることを目的に、ページを作るやり方です。例として、次のようなものが挙がっています。
- 特定の地域や都市を対象にしたページを複数持ち、そこから1つのページへ人を誘導する
- 内容が似たページを、いくつも作る
地名だけを入れ替えたページは、これに近づくと私は考えています。地域のページを作るなら、その地域ならではの中身が要ります。たとえば、その地域でやった工事の事例。雪の多い地域なら、雪止めや落雪の話。それが書けないなら、対応する地域は会社案内に一覧で書けば足ります。
落とし穴2:中身のないページ
工事名の見出しがあって、本文は3行。「お気軽にお問い合わせください」で終わる。こういうページは、作っても入口になりにくいと私は見ています。読む人が知りたいことに、何も答えていないからです。
ページの数を増やすためだけにページを作るのは、方向が逆です。Googleは、読む人の役に立つことより順位の操作を主な目的に、価値の少ないページを大量に作ることを、「大量生成されたコンテンツの不正使用」として禁じています。職人WEBタキサワがやらないことは、SEO対策のページの第5章にまとめました。
私ならこう見ます:そのページにしか書けないことが、3つあるか
分けるかどうか迷ったら、私はこう確かめます。そのページにしか書けないことを、3つ挙げられるか。
雨漏り修理なら、挙げられます。雨の入り口の探し方。応急の処置。直し方の選び方。
葺き替えも、挙げられます。材料の選び方。工期と足場。古い屋根をはがすときの、音やほこりへの備え。
では、雪止めの取り付けはどうか。会社によって答えが変わります。雪止めを数多く手がけていて、写真も事例もあるなら、1枚のページにできます。2つしか挙がらないなら、板金のページの中の1つの節にします。
塗装でも同じです。外壁塗装と屋根塗装は、足場、塗料、傷み方の話がそれぞれ書けます。一方で、破風板(屋根の端に付いている板)の塗装だけでは、3つ挙がらないことがあります。そのときは、外壁塗装のページの中で書けば足ります。
もう1つあります。同じ言葉に答えるページを、2枚作らないことです。「雨漏り修理」のページと「雨漏り工事」のページが別々にあると、どちらが本命なのか、読む人には分かりにくくなります。1つの言葉に、答えるページは1枚にします。
3つという数は、私の目安です。Googleの決まりではありません。
分け方の手順:棚卸しから、つなぐまで
手順は4つです。SEO対策のページの第2章「中身」で、手順7歩を書きました。その3歩目「工事ごとにページを分ける」を、細かくしたものです。
手順1:工事を棚卸しする
見積書か請求書の控えを、1年分並べます。工事名ごとに、何件あったかを数えます。そのうえで、印を3つ付けます。
- 件数が多い工事
- 手元にお金が残りやすい工事
- これから増やしたい工事
印が重なる工事から、ページを作ります。全部の工事を一度に作らなくて構いません。
屋根なら、雨漏り修理、葺き替え、カバー工法、板金、雪止め、雨どい。外構なら、カーポート、ブロック塀、フェンス、駐車場の土間コンクリート。塗装なら、外壁塗装、屋根塗装、防水。こうして書き出すと、どこから手を付けるかが見えてきます。
手順2:工事名を、お客さんの言葉に直す
職人の言葉と、お客さんの言葉は、違うことがあります。職人は「葺き替え」と言います。お客さんは「屋根の張り替え」「屋根のやり直し」と言うこともあります。「雨漏り」ではなく「天井 シミ」で調べる人もいるでしょう。
言葉が決まったら、地域名を足します。そして、その言葉で実際に検索してください。1ページ目に出てくるページを、全部開いて読みます。
- どんな会社が並んでいるか
- それぞれ、どこまで書いているか
- 自分には書けて、相手が書いていないことは何か
この調べ方は、「作り方」のページの1つ目の工程に書きました。
手順3:1ページに、1つの工事
1枚のページで扱う工事は、1つにします。題名と最初の見出しに、工事名と地域名を入れます。
中身の例を、雨漏り修理と葺き替えで並べてみます。まず、雨漏り修理のページに入れるものです。
- 連絡してほしい症状(天井のシミ、壁をつたう水、強い雨のときだけ漏れる)
- 雨の入り口の探し方
- 応急の処置と、本格的な直し方
- 費用が決まる要素
- その地域でやった雨漏り修理の事例
- よく聞かれる質問
- 写真の送り方と、連絡のしかた
次に、葺き替えのページに入れるものです。
- やり直しを考える目安(年数、ずれ、さび)
- 選べる材料と、それぞれの特徴
- 工期と足場
- 費用の幅が決まる要素
- 工事中の暮らし(音、ほこり、車の置き場所)
- 葺き替えの事例
- 見積もりまでの流れ
並べると、重なるのは事例と連絡の欄くらいです。中身がこれだけ違えば、1枚に混ぜる理由はありません。塗装店の場合に何を載せるかは、塗装店のコラムに書きました。
手順4:ページ同士を、リンクでつなぐ
分けたページは、つないで初めて生きます。リンクは、押すと別のページへ移る文字やボタンのことです。つなぎ方の例を挙げます。
- トップページから、それぞれの工事のページへ
- 雨漏り修理のページから、葺き替えのページへ。「部分の修理では直しきれないとき」の節から送ります
- 工事のページから、その工事の施工事例へ
- コラムから、関係する工事のページへ
リンクの文字は「こちら」にしません。「葺き替えの材料と工期を見る」のように、行き先が分かる言葉にします。Googleも、リンクの文字が適切なら、押す前に行き先の中身をつかみやすい、と書いています。Googleが新しいページを見つけるのも、多くはリンクを通じてだそうです。
コラムは、工事のページへ人を送る道にもなります。何を書くかは、現場ブログのコラムにまとめました。
最後に、屋根の仕事にたとえます。ページを分けるのは、材料を現場ごとに仕分けて積むのと似ています。全部を1台の荷台に積むと、現場で探す時間が増えます。仕分けてあれば、着いてすぐ手が動きます。読む人にとってのホームページも、同じだと私は考えています。

