結論:1件のページに「どこで・何を・なぜ・どうやって」を書きます

施工事例は、終わった工事1件の記録です。この記事では、そのページに何を、どの順で書くかをまとめます。

結論は4つです。

  1. 題は「地名+工事名」で付けます。「〇〇様邸」や「施工事例12」では、何の工事か分かりません
  2. 中身は「どこで・何を・なぜ・どうやって」の順に書きます。手こずったことと、費用の目安の出し方も入れます
  3. 写真は工事の順に並べ、1枚ずつ説明文を付けます
  4. 載せる前に、地名の細かさと、お客さんの許可を確かめます

先に断っておきます。事例を書けば検索で上に出る、とは言えません。順位を決めるのはGoogleです。この記事に書くのは、読んだ人に伝わるページの組み立て方までです。

私は屋根職人です。屋根工事歴は20年以上、施工は2,000棟以上です。自社の瀧澤屋根工業では、LP、ブログ50本、動画、SEOを回して集客してきました。その立場から、私ならこう組む、というやり方を書きます。例に出す工事は、どれも説明のための作り話です。実在の工事ではありません。

題と見出しは「地名+工事名」で付けます

事例の題は、そのページの看板です。検索結果にも、まず題が並びます。

Googleは、ページの題について公式の案内を出しています。具体的でわかりやすい言葉で書く。曖昧な題は付けない。キーワードを詰め込まない。そういう内容です。キーワードとは、検索するときに打ち込まれる言葉のことです。

これを事例に当てはめると、題の形は次のようになります。

  • よくない例:施工事例12
  • よくない例:K様邸 屋根工事
  • よい例:盛岡市 スレート屋根のカバー工法
  • よい例:滝沢市 台風で浮いた棟板金の交換

「K様邸」は、書いた本人には分かります。でも、読む人には何の工事か分かりません。題を見て、自分の家と同じ話かどうかを判断できる。そこを目指します。

もう1つ、詰め込みの例も挙げます。「盛岡 屋根修理 雨漏り 葺き替え 塗装 格安」。言葉は多いのに、何の工事のページか分かりません。1件の事例に、工事は1つです。題に入れる工事名も1つにします。

題に足してよいのは、屋根の材料か、困りごとです。「スレート屋根の」「台風で浮いた」のような言葉です。お客さんが口にした言葉に近いほど、同じことで困っている人に届きやすい。私はそう考えています。

ページの中の見出しも、同じ考えで付けます。「工事前」「工事後」だけでは、どの事例も同じ見出しになります。「工事前:棟の板金が浮いて、釘が抜けかけていた」のように、その現場のことを一言足します。

1件のページに入れる中身と、その順番

上から順に、次の中身を置きます。工事が終わった日に、箇条書きで埋められる量です。

どこで、何を、いつ

冒頭の3行で、場所と工事と時期を書きます。場所は市町村まで。時期は「2026年秋」のように年と季節までで足ります。工期(工事にかかった日数)と、足場を組んだかどうかも、ここに1行で書きます。

工事前の様子と、お客さんの困りごと

どこが、どう傷んでいたか。お客さんが何に困って連絡をくれたか。「2階の和室の天井にしみが出た」のように、お客さんの言葉で書きます。

なぜ、その工法にしたか

ここが、職人の書く事例の中身です。工法とは、工事のやり方のことです。屋根なら、塗り直す、上に新しい屋根をかぶせる、全部はがして葺き替える、といった選び方があります。

選ばなかったやり方と、その理由も書きます。たとえば次のような書き方です。これも例です。

「下地の傷みは軽く、雨漏りもまだ出ていませんでした。全部はがすと、古い屋根材を処分する費用がかかります。そこで、今の屋根の上に新しい屋根をかぶせる工法を提案しました。」

読む人は、自分の家ならどれになるかを考えながら読みます。理由が書いてあれば、比べる材料になります。

どうやったか

手順を、写真と一緒に順に書きます。手順の細かさは、読む人が工事の流れを思い浮かべられる程度で足ります。

手こずったこと

予定どおりにいかなかったことを、1つ書きます。

「軒先の板金をはがしたら、下の木材が思ったより傷んでいました。写真をお客さんに見せて相談し、木材を替える範囲を広げました。」(例です)

私ならこう見ます。手こずった話は、失敗の告白ではありません。現場で何を見て、どう決めたかの跡です。順調な話だけが並んだ事例より、途中で判断した場面がある事例のほうが、その会社の仕事ぶりが伝わる。私はそう考えています。ただし、お客さんの家の悪口に読める書き方は避けます。「傷んでいた」は事実として書き、「手入れがされていなかった」とは書きません。

費用の目安

金額をそのまま出すかどうかは、会社の方針と、お客さんの気持ちで決まります。出し方は3つあります。

  1. 金額を書く。税込か税抜きかも書く
  2. 幅で書く。「〇〇万円台」のように書く
  3. 金額は書かず、金額を動かした条件を書く

3つ目は、たとえば次のような条件です。屋根の広さ。足場を組んだかどうか。下地をどこまで直したか。古い屋根材の処分があったかどうか。金額が無くても、読む人は「自分の家はこの条件に近い」と見当をつけられます。

どの出し方でも、金額を載せる前にお客さんに聞きます。工事の金額は、お客さんにとっては自分の家の話だからです。

お客様の声(あれば)

感想を載せるなら、決まりがあります。許可の取り方、書き換えないこと、良い声だけを選ばないこと。お客様の声をホームページに載せるときの決まりに書きました。

写真の選び方、並べ方、説明文

写真は、多ければよいわけではありません。1枚ごとに役目がある写真を選びます。私なら、次の順に並べます。

  1. 工事前の全体。家のどのあたりの工事か分かる写真
  2. 傷んでいた所の寄り。指で差して「ここです」と言える写真
  3. はがしたあと、または途中。完成すると見えなくなる所
  4. 工事後の全体。1枚目と同じ位置、同じ向きから撮った写真

この4枚が基本です。手順を見せたいときは、3枚目と4枚目のあいだに途中の写真を足します。

私ならこう見ます。完成写真を1枚目に置きたくなりますが、私は工事前の全体から始めます。読む人が最初に確かめたいのは、仕上がりのきれいさより、自分の家と似ているかどうかだからです。同じような屋根、同じような傷み方。そこで手が止まった人が、下へ読み進めます。

写真の説明文(alt)を1枚ずつ付ける

写真には、画面に見える説明(キャプション)とは別に、説明文を付ける欄があります。alt(オルト)と呼ばれる欄です。写真が表示されないときや、目の不自由な方が読み上げの機能を使うときに、写真の代わりに読まれる文字です。検索エンジンも、この文字を読みます。

Googleは、画像の説明文について公式の案内を出しています。ページの内容に沿った、役に立つ説明にする。キーワードを並べるだけの説明は避ける。そういう内容です。

事例に当てはめると、こうなります。

  • よくない例:(空欄)
  • よくない例:屋根 屋根修理 盛岡 雨漏り 板金
  • よい例:棟の板金を外したあと、下の木材が黒く傷んでいる様子
  • よい例:工事後のスレート屋根を、工事前と同じ南側から写した写真

写真を見られない人に、電話で何が写っているかを伝えるつもりで書きます。それで足ります。

写真の近くに、その写真の話を書く

Googleの同じ案内には、画像はなるべく、関係する文章の近くに置くように、とも書かれています。写真をページの最後にまとめて並べるより、手順の説明のすぐ下に、その手順の写真を置きます。読む人にとっても、そのほうが追いやすくなります。

ファイル名も、中身の分かる名前にする

スマホで撮った写真は、「IMG_1234.jpg」のような名前で保存されます。Googleの案内は、簡潔でわかりやすいファイル名をすすめています。「morioka-slate-cover-before.jpg」のように、英数字で中身が分かる名前に変えてから載せます。

載せる前に確かめること

事例は、お客さんの家の記録です。載せる前に、次のことを確かめます。

地名は、市町村までにする

番地は書きません。町名まで書くかは、お客さんがいいと言ったときだけにします。小さな町では、町名と屋根の写真で家が分かることがあるからです。

名前は出さない

「〇〇様邸」の〇〇は、イニシャルでも出さないほうが無難だと私は考えています。題にも要りません。題は地名と工事名で足ります。

写真の写り込みと、位置の情報を消す

表札、車のナンバー、隣の家の窓。写っていたら、その部分を切るか、ぼかします。外観の写真の注意は、お客様の声のコラムにも書きました。

もう1つ、見落としやすいものがあります。スマホの写真には、撮った場所の位置の情報が一緒に記録されることがあります。載せる前に消しておきます。自分で消し方が分からなければ、ホームページを作った会社に聞いてください。

許可は、載せるものごとに取る

「事例に載せていいですか」の一言では、何を載せるのかが伝わりません。私なら、次のものを分けて聞きます。

  • 写真(外観が写るものと、屋根に寄ったもの)
  • 地名をどこまで書くか
  • 工事の時期
  • 金額を書くか、書くならどの出し方か

聞いた結果は、紙かメッセージで残します。断られた項目は載せません。あとから「消してほしい」と言われたら消します。

最後に、今日できることを1つだけ。直近に終わった工事を1件選んで、題を「地名+工事名」で1行書いてみてください。題が決まると、写真のどれを使うかも決まってきます。中身は、この記事の順に箇条書きで埋めれば間に合います。

出典

確認日:2026年10月20日

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