先に結論。相場の幅が広いのは、中身が違うからです

ホームページ制作の相場を調べると、金額の幅の広さに戸惑うと思います。

工務店・建設会社向けの費用を解説した記事には、10万円台から300万円超まで大きく開く、と書いている例があります。同じ記事の分け方は3つです。テンプレート型が5万〜30万円。セミオーダー型が30万〜80万円。フルオーダー型が80万〜300万円(出典1)。別の解説記事には、10ページ以内の小規模サイトは30万円からという例もあります(出典2)。

どれが正しいか、という話ではありません。
同じ「ホームページ制作」という名前で、入っている作業が違います。だから金額が違います。

差が出る場所は、私の見方では5つです。

  1. ページの数
  2. 文章を誰が書くか
  3. 写真をどうするか
  4. 検索で見つけてもらう設計が入っているか
  5. 公開したあとに毎月かかるお金

この5つを順に見ていくと、見積書の金額が何の値段なのかが読めるようになります。

作るときの金額を動かす3つ。ページ、文章、写真

1. ページの数

いちばん分かりやすい差です。1ページで完結する形と、工事の種類ごとにページを分ける形では、作る量が違います。

見るところは「何ページか」だけではありません。「そのページ数に何が含まれるか」です。施工事例を1件ずつ載せるページは数に入るのか。問い合わせフォームは入るのか。見積書に書いていなければ、聞いてください。

2. 文章を誰が書くか

私は、ここがいちばん見落としやすい場所だと考えています。

見積書に「原稿はお客様ご支給」とあれば、文章は自分で書く前提です。現場が終わった夜に、自分の会社の強みを文章にする。これは重い作業だと私は考えています。瀧澤屋根工業のサイトでは、ブログを50本回してきました。原稿を用意する手間は、軽く見ないことをおすすめします。

制作側が聞き取って書く場合は、その手間が金額に入ります。高く見えても、自分が書く時間を差し引いてから比べてください。聞き取りが何回あるのかも聞いておくと、作業の量が読めます。

3. 写真をどうするか

工事の仕事は、写真が判断材料になります。

撮影を頼むのか。自分のスマホで撮ったものを使うのか。撮影を頼むなら、その費用は制作費に入っているのか、別なのか。

先ほどの記事には、写真撮影が1物件あたり3万〜10万円という例が載っていました(出典1)。事例を何件載せるかで、ここの金額は動きます。

見積書に出にくい2つ。検索の設計と、毎月のお金

4. 検索で見つけてもらう設計

きれいなページを作る作業と、検索で見つけてもらうための作業は別です。

どの地域の、どの工事を探している人に見せるのか。そのために、どのページにどの言葉を置くのか。これを決める工程が入っているかどうかは、完成した画面を見ても分かりません。

だから見積の段階で聞きます。「地域名と工事名で探す人に向けた設計は、この金額に入っていますか」。

入っていない見積が悪いのではありません。入っていないと知ったうえで選ぶなら、それで構いません。

5. 公開したあとに毎月かかるお金

作るときに一度払うお金と、毎月払うお金は、分けて見てください。

月額の保守・運用費にも幅があります。月5,000円〜3万円という例と、月3万円〜10万円という例が、同じ記事の中に並んでいました(出典1)。中身が違うからです。サーバーの管理だけなのか。文章の直しを含むのか。記事の追加まで含むのか。

ここは掛け算をしてから比べます。計算の例です。月1万円は3年で36万円になります。月3万円なら3年で108万円です。作るときの金額が安く見えても、3年分を足すと順番が入れ替わることがあります。

あわせて、やめたときの扱いも確認します。サイトは手元に残るのか、消えるのか。ドメインは誰の名義か。金額には出ませんが、あとで効いてくる条件です。

見積書を並べるときは、物差しをそろえます

2社、3社の見積書を横に並べても、そのままでは比べられません。入っているものが違うからです。

私なら、次の4つを同じ言葉で全社に聞きます。

  • ページは何枚で、施工事例とフォームは数に入っていますか
  • 文章はどちらが書きますか
  • 写真の撮影は入っていますか
  • 毎月の費用はいくらで、何が入っていますか。やめたらサイトはどうなりますか

4つの答えがそろうと、はじめて同じ物差しで比べられます。答えが返ってこない項目があれば、そこは未定のまま契約することになる、と分かります。

私ならこう見ます。屋根の見積書も同じ構造です。

屋根の工事でも、総額だけを比べると判断を誤ることがあります。足場は入っているか。下地の補修は入っているか。古い屋根材の処分は入っているか。私なら、総額より先にこの中身を見ます。安い見積書は、安く工事ができるのではなく、何かが入っていないだけ、ということがあります。逆に、高い見積書が全部入りとは限りません。

ホームページも、総額の前に「何が入っていて、何が入っていないか」を読みます。

もう一つ、追加費用の条件です。

どんなときに金額が増えるのか。構成が決まったあとにページを足したとき。原稿を何度も書き直したとき。こうした条件が、契約の前に書面で出ているかを見てください。書いてある会社は、あとで揉めそうな場所を先に見せてくれています。

金額を聞くのは、失礼ではありません

金額を聞くと、その場で商談が始まりそうで聞きにくい。発注する側には、そういうためらいがあると私は考えています。

だから職人WEBタキサワでは、料金を料金ページに出しています。作るときの費用と、公開してから毎月かかる費用を分けて書きました。別途になるものと、概算を出せるシミュレーターも載せています。追加費用が出る条件は、着手前に見積書へ書き出します。

うちの金額が相場より高いか安いかは、ここでは書きません。この記事の5つの場所に当てはめて、ご自分で見比べてください。合わなければ、他の会社を選んでもらって構いません。

相場は、答えではなく入口です。「いくらか」の次に「何の値段か」を聞く。この順番で見積書を読むことをおすすめします。

出典

確認日:2026年10月5日